うつ病と北条かやさんの話。

 私は4年前、うつ病だった。

 摂食障害によりガリガリに痩せ、不眠による睡眠薬多用で奇行を繰り返し、毎日毎日死にたいと考えていた。外に出る事が怖くてまともに働けず、似合わない安いギャルファッションに濃いメイクをしていた。

 当時のことなど忘れた顔をして日々をやり過ごしていた私が、ある日自分の黒歴史を否が応でも思い出すはめになった。

 

ライターの北条かやさんの、こじらせ女子騒動である。

 

 もともと華奢清楚な女性が大好きな私は、北条かやさんのルックスが好みど真ん中だ。文章を読んだときは目新しさがなく、主張が漠然としていると感じたが、そういう無味無臭美人ライターとしての需要はあるよな〜と納得したものだった。

 ところがあの騒動。「死んでお詫びをする」と周囲に自分の命をチラつかせて甘える彼女の姿はあまりに過去の私にそっくりだった。まるで自分のポルノ写真をネットで見つけたかのような恥ずかしさに襲われた。

 

 私はうつ病の頃、「私がこんなに辛いのだから、恵まれてる皆はかわいそうな私に優しくしてくれて当然」というあまりにロックな思想を持っていた。

 摂食障害を隠そうともせずに、整形したいと周りに言って周り、死にたいと夜中に電話したりしていた。当然のことだが、誰もかもが私を嫌った。どうして嫌われるのかわからず、ますます落ち込んだ。最悪なスパイラルである。

 自己弁護するわけではないが、不眠や摂食障害などの症状が激しすぎて全く自分をコントロールできていなかったのだ。自分が得体の知れない化物となりつつある恐怖は半端ないものだった。

 

 港区の本屋で彼女の新刊を立ち読みした帰り道、偶然、彼女を見かけた。

 彼女のことはよく知らないが、適切な治療が必要かもしれないと思った。現状、彼女が自分をさらけ出し続けるのは未来の自分にリベンジポルノをするようなものだ。嫌われたくないのならば、自分をコントロールできない状態で表に出るのは危険だ。

 

 いつまでも彼女をヲチしてしまう私の人間性も大概だと思うし、偉そうに言える立場ではないのだが。